みくろちゃんとまくろくん
ひんこん一派からの「物価を同じにしちゃえ作戦」に村は大ダメージ。
みくろちゃんとまくろくんは悔しくて悔しくて、落ち着かない日々を送っています。
2人だけでは到底無理だ…。
村の生産品を購入してくれる仲間はいまもいるけど、それでも足りない。
仲間をもっともっと増やしたい!!
街にはたくさんの人がいます。みんなお金に余裕があるのでテレビを持っています。
そうだ!ひんこん一派のひどい作戦や村の生活を目で見せることができたら、きっと仲間がどんどん増えるはず!
そう思ってテレビ番組をつくることにしました。
ただ、2人にそんな技術もコネもありません。
でも共感してくれた人がいて、番組を作ってくれることになりました。
よかったよかった。
さあ、今日は待ちに待った放映日。どんな番組になっているのかしら…
村の生活が流れると、有名人のコメンテーターたちは涙を流し、口々に「可哀想だ」
「わたしに何ができるのかしら」
「どうしてこんなことに」
「国はなにをやっているんだ」
「大人は何をやっているんだ」
………………
………
コメンテーターは、村の中で起こっていることに可哀想だと涙を流して寄付を募る。
子どもの悲惨な状況を見て、ショックを受けて涙を流す。そして、親や社会を非難する。
ねえ、14歳で子どもを産んでパートナーに捨てられた女の子を見てそんなに涙を流せるのに、どうしてその子が成長して子どもとは呼べない年齢になった途端に非難の対象になるの??
何歳までが可哀想なんだろう…
そんなことを思いながら見ているうちに、番組が終わってしまいました。
え!?ひんこん一派のことは?!どうして、どうしてひんこん一派のことを紹介してくれないの?!
村で起きていることだけど、起きる本当の原因は村じゃなくてひんこん一派にあるのに。
あいつらが色んなことをするから、村が…
可哀想の涙だけでは、ちっとも村の生活は変わらないのに。
ひんこん一派の正体や作戦を知らなかったら、対抗できないのに…
はあ、いまいちだったなあ。というのが2人の感想でした。
とはいえ、村が紹介されたことで2人が街で販売している村の生産品の売り上げがぐんっと上がりました。
まあ、ぐんっと上がったのは一時的にでしたが…
何人かは村の生産品の質の良さを理解してくれて、購入してくれる仲間を増やすことができました。
さて、2人は番組を作ってくれた方にお礼を言いにいきました。
するとそこで、どうしてひんこん一派の紹介が出来なったのかを知ることになるのです!?
つづく